2016年2月13日土曜日

2月座談会「習慣・それが持つ力」

今月2月のテーマは「習慣」
お話の中で強調したかったのは「自分を見つける習慣をつける。それを強化する習慣」です。
2時間のお話をしました。
原稿を公開します。 
次回座談会は3月18日(金)夜7時~
「運・不運・ツキ」についてお話しますよ。
HPこちらからエントリーできます。




2016年2月座談会
テーマ「習慣」

Wikipediaで「習慣」をみるとこんなことが書かれています。 

”日常的に繰り返される行いのこと。その人の習慣は精神的・心理的傾向を含むため「習 慣は第二の天性」とも言われる。一般的に、成人後、年齢を重ねるほど習慣で行動する 傾向が強くなり、その矯正は難しい。ロバウトマウラーによれば小さな控えめな一歩を 継続することで習慣を変えたり、新しい習慣を身につけることが可能だと言う”


繰り返される行い

脳の中では単調な動作がリズム感を持って繰り返されるとき「エンドルフィン」という ホルモンが分泌されることが実験でわかっています。編み物や手芸といった反復作業が 楽しくなっていくのはそんな理由があります。 私の経験では、同じ作業の繰り返しは精神を強くすると感じています。 実感として、強いストレスを受けたときですが、繰り返しの単純な作業をしているとき はこれがやわらぎました。また人生で「迷う」ことはしばしばあります。そんなときも 繰り返しの単純作業は心を鎮めて冷静な答えを導き出します。イメージとして繰り返し 作業にはどこかに「気持ちの安定」という要素があるように思います。
繰り返しの作業って例えばどんなことでしょうか、有名人で例をあげてみましょう。

 イチローの場合
  ・毎朝カレーを食べる
  ・スタジアムに踏み入れる足を決めている
  ・毎日同じメニューに取り組む
オバマ大統領の場合 ・スーツはグレーか青の2色

では私たちの普通の日常で行われる繰り返し作業はどんなことがあるでしょうか。
  ・朝起きたら顔を洗う
  ・歯を磨く
  ・風呂に入る
  ・部屋の掃除 など

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「有能な人ほど生活にメリハリがあり、日々充実してすごしている」 ジョセフマーフィーの言葉です。

私たちからこの普通に行っている、顔を洗ったり歯を磨いたり風呂に入ったりの作業を 違う時間に行ったりやめてしまったりしたらどうでしょうか。 例えば朝寝坊をして顔を洗えなかった、そんな日は1日全てがなんだか冴えない感じが します。この何気に行っている作業、実は私たちが充実した日々を送るためにとても重 要であることがわかります。

ところで、私には人とは違った習慣がありますがこれについてお話します。 
それは二胡の練習のお話です。

さりーの習慣

私は二胡を演奏していますが、この楽器は弦が2本しかありません。シンプルなので誰 でも簡単に曲を弾けるようにはなります。でも美しい音色を奏でようと思うとそれは一 大事、そう簡単にはいきません。
どういうわけかまだ二胡の楽器を弾いたこともないときから「自分はできる。自分だっ たらこの音が出せる」という確信がありました。全くなんの根拠もありません。 まるで飛行機のない頃に「私は空が飛べる」と言っているのと同じレベルです。 「空を飛ぶ」と言いますとライト兄弟を思い出します。彼らも最初から「私は飛べる」っ て思っていたに違いありません。中には風船おじさんみたいな人もありますがでも生き ていてその思いを持ち続ける限りそれに近づいていくと思います。

横道に逸れましたが、本題の練習のお話に戻ります。 「自分だったらできる」と思ったときから私の心の中に”二胡”という楽器の存在が発生 しました。とりわけ意識していたわけではなく無意識の中だったと思います。 多分何年か経ったある朝、目が覚めると「二胡をやろう」と思いつきました。多分その 日に二胡を注文していたと思います。なんの前触れもきっかけも思い当たりません。そ れは突然でした。
私はある日突然「二胡」を手に入れました。でも”どうやって弾くの?” さて、ここから今までの道のりがミステリーです。
「私ならできる」という思いは楽器の音を出した瞬間に打ち砕かれました。「何これ」 です。

そこから二胡演奏修得の探索が始まりました。インターネットで様々な情報を集めまし た。それからHow to本もいろいろ読みました。それでとりあえず「この人が師匠」と いう人を決めその先生の本の通り忠実に練習を重ねていきました。
二胡の練習は同じ作業の繰り返しです。 毎日開放弦(何もおさえないで音を鳴らす)を鳴らします。毎日ドレミファソラシドみ たいなことをします。ずっとそれです。明けても暮れてもそればっかり。もちろん並行 して曲も習得していきますが基本は開放弦やドレミファソラシドみたいなことです。

私は最初自分の部屋で練習をしていました。でも家にいると雑用があったり、雑用なら まだしも雑念があってできる日とできない日がありました。「ダメだなぁ」なんて思っ ているとこんな記事が目に入ります。「部屋貸します」市が市民のために行っているサー ビスでした。なんと半日300円。驚異の値段です、春日井市民でよかった。1日300円な らコーヒー代程度、これなら大きな負担なくできる。私は即座に防音会議室を予約しま した。

ここでお話しておきたいすばらしかったことは、毎回同じ時間から初めて、同じ時間に 終わる、それはいつも朝ということです。これは私のルーティンワークになりました。

そして私は練習をメニュー化して繰り返しました。この部屋に入ったらそれをやるしか ありません。寝ぼけた頭でドレミファソラシドを弾きます。基礎練習に重点を置きなが ら様々な曲も練習しました。 

朝部屋に到着するとその日によって様々な思いがよぎります。「こんなことをやってい て意味があるのか」、「こんなことをして自分は何をしたいのか」、「なんでこんなに 頑張るのか」、「ずっとこんなことをしていていいのだろうか」、「私はいつまでたっ てもうまく弾くことはできないのではないか」「自分はなんてつまらない人間なんだろ う」「みんな私のことをバカだと思っているだろうなぁ」などです。 私は当時どうして自分が練習しているのかということを明確に認識していませんでした。 ただうまく弾きたいというだけの理由ではないことはわかっていました。 1年2年と続けても全然うまくなりません。うまくなるどころかむしろ下手になっていく ような気さえしていました。なぜ上達しないのか。でもこのときでさえ不思議なことに 「自分はできる」と思っていました。 できない技法を毎日練習する。毎日できない。何日かかってもできない。全然できない。 そうすると私はこう結論づけるのです「まだ私にはここまでのレベルに達していないだ け、もっと下積みすれば絶対できる」その結論に基づきドレミファソラシドみたいなこ とです。

セルフコーチングをひたすら一人地道にやります。黙々とやります。誰も何も 言ってくれません。誰も「よくやってるね」なんて言ってくれない代わりに「全然うま くなってないね」とも言われることはありません。

私の二胡の音は単なる騒音で、できない日々は2年は続きました。
私はこんな練習を最初の頃を含め6~7年程度続けました。

この練習こそが私にとっての習慣です。 私が今ここにいられるのはその習慣の賜物です。この習慣がなければ今の私は存在して いません。 この習慣、これが私に与えたものはずばり「強さ」です。私は決して強い人間ではあり ませんが”現実をみすえる。逃げない”という心構えがここで培われたように感じていま す。
ところでこのような無味乾燥なドレミファソラシドの繰り返しを、なぜ継続させていく ことができたのか。私はどうしてそんなに練習したのか、今しているのか、そしてこれ からもするのか。

練習をしているとき、私は時間を忘れています。朝9時にはじめ、お昼になって終わる。 さっき部屋に入ったけど、気がつくともう帰りの時間になっているというこの感覚。私 の9時から12時までの3時間は一体どこへ行ってしまったのか。私にとって練習の3時 間は瞬間のようにも感じられます。完全なる思考停止状態、どうしてこのようなことに なってしまうのか調べてみました。 どうやらこの単純作業の間に脳内でエンドルフィンができているということらしい。 なるほど生理現象がかかわっていたようです。とにかくこの調子でいくと私はあっとい う間に年をとって死んでしまうということになる?!

ということはありません。普段の生活では普通に時間が流れているように感じています。 事務の仕事をしているときなどは1分が1時間に感じられることさえあります。「よく 仕事したわ~」と思ったら5分しか経っていなかったというようなことがあったりもし ます。 年齢を重ねると時間の流れが速く感じると言われますが、これは生活が習慣化している ためと思われます。そして「日時の流れが速いと感じる人は幸せの証拠」これも習慣化 による時間概念の停止状態と思われます。

ところでこの情熱はどこから来ているのか。ある朝目が覚めて突然「二胡をやろう」と 思い立ちもう10年以上経ちます。これをやりはじめた理由も自分でよくわかりません。

きっとさりーさんは根気があるのだろう、特別な人なんだろう。と思われるかもしれま せん。でもそうではありません。私は二胡をやるようになってから「二胡は中国の楽器 なんだからもっと中国のことを知るべきだ」「中国語をやったほうがいい」と思い立ち ました。今までに中国語の勉強やろうと2度ほど思い立ったことがあります。しかしながらこれが全然続きません。英語を学ぶように同じように中国語に挑戦するのですけれ ど、全くだめ。3日坊主とまさにその言葉のごとく3日で終わりです。

なぜか考えてみました。これは私なりの結論ですがそこに「私なら中国語を話すことが できる」という明確なビジョンを持てなかったことです。これはとても大切なことです。 「できたほうがいい」程度ではダメなのです。 二胡の練習である技法が全然できなかったとき単に「できるようになりたいなぁ~」と いう気持ちだったらおそらく3日坊主です。そうではなく「基礎が足りないのだ、基礎 があればできる。できないわけがない」という完全な自信、これが単純作業を行ってい くモチベーションだと思います。

単純作業はすごく難しいということはありません。たとえば私は文鳥を飼っていますが 世話は毎日の水と餌の交換、三日に一度の掃除、それらの作業はとても簡単で誰でもで きます。でもこれを毎日欠かさずに続けていくことはそう簡単ではありません。もしも 私から文鳥への思いが薄らいでしまったら餌や水の交換はそれこそ三日に一度程度になっ ているかもしれません。

物事を習慣化する、意図的にそうしたいことがある場合にとても大切なことはその根底 にある思いです。ちょっと聞くとそれは当たり前で最もらしいことで言うのは簡単。そ してこれも当然ですがゴールへの思いがどの程度であるかでその作業が続くか三日坊主 かが決まります。 ということは、逆から考えるとこの根本となる思いを鮮明に強烈にして自分の中に根付 かせることができれば習慣化できるということになります。

でも習慣化させてどうするのか。 今日はここがポイントです。習慣の持つ力。
先にも書いていますが第二の天性とも言わ れるほど習慣には大きな力があります。人の行動の95%が無意識によるもので無意識 のほとんどは習慣でできているからです。
習慣を変えると運命がかわる。

私はマザーテレサにもなれないし、マーガレットサッチャーにもなれません。私は私に しかなれない。でもこの私とは一体何者か。 人間、意味なく生まれる人は誰もいないです。なんらかの特質を持っています。それを みつけて大切にし育て磨くことで一層価値のある存在となり人類の宝になると私は考え ます。

あなたが自分を今以上に更に見出し、楽しくそれを大切にし育むと一体どうなるでしょ
う。また、それを見出す習慣というのはなんでしょうか。どうしたらその習慣を身につけることができるでしょうか。

死ぬ瞬間まで自分は自分であります。年をとっても嬉しいことは嬉しい、悲しいことは 悲しい、90歳でも恋をすることもありえるでしょう。
自分の人間的価値が上がると、今まで以上に更に自分を愛することができます。自分を 愛することができると周囲の人を愛することができます。自分の人間的価値が上がると 周囲の人たちはあなたを誇りに思います。誇りに思った人たちはあなたの存在から勇気 や力を得ます。それらは人を豊かにするでしょう。豊かな人が周囲にいるあなたは間違 いなく豊かで価値の高い存在です。そんな人を子供として持った親は鼻高々でしょう。

人としての価値、これは地位や名誉であらわされることもあります。それはその人たち がたまたまそこでその人の本領を発揮できた、ということです。話が上手な人、計算が 得意な人、絵が好きな人、料理が好きな人、いろいろなタイプの人が世の中にいます。 ここで私が思い出すのは今は亡き本田の創設者本田宗一郎の言葉「苦手なことを無理や り頑張ってるやつはアホだ」です。

自分を見出すための習慣。 これを見つけたいものです。そうするためには常に自分に対してのアンテナを高くして おくことが必要です。自分自身と交信するのです。自分の声は「聞く」姿勢を持ってい ると聞こえてきます。ではその姿勢をどうやって作るのか。これはとてもシンプルです。 ただ「あなたの望みはなんなんですか。どうして生まれてきたんですか。どうしたいん ですか。」と自分の心に問いかけるだけです。 声にだしても出さなくてもいいです。ただシンプルに問いかける。すると思わぬところ で答えが返ってきます。

ジョンレノンだったか車を運転していたら「右へ曲がれ」というようなインスピレーショ ンを感じたので曲がった。すると・・ これは彼が仕事だっかプライベートだったかでの大切な出会いとつながったというよう なエピソードがありました。うろ覚えでこの通りではなかもしれませんが、そんなよう なイメージで答えはやってきます。

私の場合3~4年前に「明日行われる催しに参加しなさい」というインスピレーション を感じたことがありました。この催し私には興味のないものだったし、とても忙しくて そんな時間とれるわけなかった、むしろ参加したくなかったのですが、このインスピレーションは何かあると感じてその日の予定をずらして催しに参加しました。ここで私の将 来に影響を及ぼす出会いがありました。ここでひょんなことから、犬山のFMに行くこ とになり、犬山で演奏をすることになりました。まだ仕事がほとんどなかった頃でした。 とても良い経験を積むことができました。

私は自分の内側からふっと沸き起こるインスピレーションをいつも大切にしています。 インスピレーションを受け取るためには先ほどもお話したように自分に問いかけておく ことです。すると答えはタイミングよく返ってきます。
自分らしい自分になるための何かを知り、習慣化することができればよりその人らしさ
を増すことができる。あなたの「あなたらしさ」とはなんでしょう。

今回「習慣」について調べていると「7つの習慣」という本の名前があちこちにでてき ました。 これはとても有名な本です。ここへ参加されるトップクラスビジネスマンの皆さんは当然ご存 知でしょうから内容は省略します。 金持ちが持っている習慣、政治家が持っている習慣、学者が持っている習慣、アーティ ストが持っている習慣、それらには特徴があるようです。第二の天性がそうさせている からに他なりません。
私は人々にその人らしい習慣を見つけて欲しいと願います。マニュアルもいいですが、 自分の内側から発せられる要望に応えそれにしたがってより自分らしくあって欲しいと 願います。

これで今日の私のお話は終わりです。 
ここからは「習慣化についてのヒント」を掲載します。

新しい習慣を身につけるためのコツ

  • できるだけ小さなことを選ぶ。
  • すぐできることを選ぶ。
  • それをやる時間帯を決める。 
  • 何時に始まって何時に終わるという期限を決める 
  • どうしてそれをするのか自分の中で明確にしておく 
  • どうしても続けられそうもない人は報酬をセットにして考える。それをできた日 には「おめでとう!」と自分宛にメッセージを書く、あるいは言葉に出す。「私よくやった!オレよくやった!」と独り言をいう。これは意味がなさそうですが脳は 「ほめられた」と認識、有効な手立てです。三日続けられたら1冊好きな本を買う、 など。


名言
  • 成功者は生活にメリハリがあり気分転換することに長けているため活力を持ち続け
    られる ジョセフマーフィー

  • 小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただ一つの道だと思って
    います イチロー

  • 人は習慣によってつくられる。優れた結果は、一時的な行動ではなく習慣からうま
    れる アリストテレス

  • 習慣とは粉雪のようなものだ。それが積もり積もって最後には成功という雪崩が起
    きるのだ。トーマスコーリー

  • 最初に人が習慣を作り、その後習慣が人を作る ジョンドライデン
  • 継続は力なり ことわざ

  • 千里の道も一歩から ことわざ

  • コツコツは勝つコツ T先輩

    以上

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